懐中時計って・・・。
私も正直言って歴史的な背景がどうだのこうだのとかいう細かいことについてはよく知りません。
気がついてみると私の周りに懐中時計が集まってきたという感じですが、ここでは実際の体験談や、お客様の意見などを基に懐中時計というものを少しでも身近に感じていただければいいかなという思いでお話させていただきます。

ここで紹介している時計は、ほとんどがバーゼルショー(スイス)で商談してオーダーしている物です。
バーゼルショーには、それはもうたくさんの新作モデルやアンティーク、複雑時計などを各ファクトリーごとに紹介していて、安い物から上は想像を超えた金額のものまでさまざまあります。
そういった中からここで紹介しているものはただのコレクションとして収まってしまう物ではなく、できるだけ実用として愛用していただければという思いで私なりに選んできています。(中には実用に向かないものも少しありますが・・・)
高価な物ではなく手頃な物で少しずつ懐中時計の魅力を感じていただければと思っています。

『カイチュウドケイ?』
ここでは懐中時計と呼ばせてもらっていますが、横文字で呼ぶならばポケットウオッチとなります。
呼び方は好みの問題なのでどちらがどうのという事はないです。
意味はといえば、読んで字のごとく、懐(ふところ)に入れる[入れられる]時計という事です。
懐とはポケットのことです。
腕時計がまだ発明(?)されていない時代、気軽に持ち運べる時計として懐中時計はその先駆けであり、そこから腕時計にと進化していきました。
今ではほとんど腕時計が支流になり、その腕時計すら脅かす存在になっている携帯電話の時刻表示が時計代わりというこの時代、懐中時計を愛用している人を見かけるのが非常に困難になっています。

それでなくても少ないのに・・・。

それでは懐中時計をどんな時に使えばいいでしょう。
ひとつのファッションアイテムとして考えてみてはどうでしょうか。
最初から毎日使う物と考えないで自分にとって必要なときに使うものという感覚でいいと思います。
ネクタイを替えるのと同じように腕時計の時があったり、懐中時計の時があったりして気分を変えてみてはどうでしょう。

人の目が気になってなんかキザッぽくて恥ずかしいと思うこともあるかもしれませんが、そんな事は最初だけです。慣れてしまえばどうって事はありません。

ほんとに・・・・そうですよ。

デートやちょっとした会などに持っていくのもいいでしょう。
ちょっとしゃれたバーやレストランでさりげなく見る仕草なんて、カッコイイと思いませんか?
いつものデートでもかなり気分が変わると思います。話題作りにもいいですね。
気の合う仲間との会合のときなどもわざと見せたりしてその場を盛り上げる事も出来るでしょう。

私も気分を変えて懐中時計を使っていますが、ある時、こんな事がありました。
お手軽に飲めるよくあるコーヒーショップの窓際でお茶を飲んでいた際、隣の人の視線を強く感じて何だろうと思ったときに目が合ってしまい、その時、隣の40代ぐらいのサラリーマン風の人が『良いですね』っと話し掛けてきました。なんの事だろうと思っていたらテーブルのところに置いといた懐中時計を指差して『アンティークですか?』と尋ねてきたので、私は『今のもので安物ですよ』と言ったところ『へ―、そうなの』っと驚いていました。
その後、私も予定があったのであんまりながくはおしゃべりできませんでしたが、かなり懐中時計の話で盛り上がりました。
その人は懐中時計にちょっと興味がある人で、一度は持ってみたいのだけど、なかなかいいものが無くてあきらめていたらしいです。
私はこんなところで商売を持ち出すのもどうかなと思いつつ、私の委託先を教えてあげました。
かなり喜んでいましたがその後はどうなったかは知る由もありません。
このように懐中時計でちょっとした楽しいひとときが味わえることもあります。

また、このような人もいます。腕時計が出来ない人。
理由はさまざまですが、昔から懐中時計しか使っていないようです。
さすがに懐中時計に関しては私よりものすごく知識があって、恥ずかしながら私もいろいろと教わったりしています。

時間に縛られたくないという人もいます。
腕時計をしてしまうとなぜだか時間に縛られているような感覚になるので懐中時計を愛用しているそうです。
ポケットに収めることで気持ちが落ち着くらしいです。

もうひとつ懐中時計のいいところといえば・・・
音です。(手巻のものに限りますが・・・)
時間を刻んでいく『カチカチ・・・・・・・・・・』というあの音とかすかな振動は気持ちを落ちつかせてくれます。
ムーブメントが大きい分、テンプの音や振動もそれなりに大きくなります。
夜、静かなところに居ると本当によく聞こえます。
ある人は『クオーツの目覚し時計のあの秒針の音はすごく耳障りだけれど、懐中時計のあの音はいいね〜。子守唄みたいですぐ眠れるよ』と言っていました。
人それぞれだと思いますがその作用はあるかもしれません。
私もパソコンに向かって煮詰ってしまったとき、傍らにおいてある懐中時計を見ながらボーっとしてしまうことが多々あります。
そのあとどうなったかはご想像にお任せします。
なんかリラックスできるみたいです。

古くなっても懐中時計。
使いこなせばこなすほど、いい味わいになります。
傷ついたり凹んだり色あせたとしてもそれがまたいいのです。
懐中時計のキズは思い出の証です。
アンティークの懐中時計が今でも人気があるのがよくわかります。

それでは懐中時計を実際、どのようにコーディネートすればいいのか基本的なものをいくつかご紹介したいと思います。

どうやって使えばいいのか・・・・
昔ですと三つ揃いのベストのポケットに忍ばせたりしていました。
シャーロックホームズを思い出してみてください。
懐中時計に付けたチェーンをベストのボタンに引掛けてさりげなくおしゃれしていました。
スーツのポケットでもズボンのポケットでも同じです。
ポイントは腕時計と違っていろいろと自分流に演出が出来るという事です。

ベストのポケットに忍ばせる時

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懐中時計には懐中時計に合った色のチェーンを付けます。
(別に違った色でもOKです)
チェーンの端はポケットの入口位置からちょっと上のベストのボタンのところに引掛けます。懐中時計をポケットに納めてからチェーンを少したるませるようにします。
チェーンが長い場合はベストのボタンの穴に通して両方のポケットに均等にたるむようにすると良いです。
さりげなくチェーンが見え隠れするところがかっこいいです。

スーツのポケットに忍ばせる時

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ベストと同じようにボタンにチェーンを引掛けてポケットに納めるようにします。

内ポケットを使うときも同様です。

--------------------------------  チェーンの使い方いろいろ

ズボンのポケットに忍ばせる時
腰のベルト通し、もしくはベルトにチェーンの端を付けてポケットに納めます。
ただ、この場合チェーンより組紐のようなひも状の物を使ったほうが良いです。なぜなら、ズボンの場合は動きが大きい分、チェーンと懐中時計がぶつかり合ってかなり懐中時計にダメージを与えてしまいます。紐のような柔らかい物の方が一番良いでしょう。
ここでやってはいけない事は絶対に後ろのポケットには入れないことです。・・・・・必ず壊れます。

スーツ以外ではどうすれば良いか・・・・
それは皆さんのアイデアでいろいろ工夫してみてください。
ポイントは提げ紐を替えることでいろいろ個性的に演出できることです。
以上が基本的な装着例ですが、自分にあった使い方をすれば一番良いと思います。


最後に一言。
毎日の生活の中で懐中時計が皆さんにとって少しでもお役に立てればと願っております。

何か他にお聞きになりたい事などありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

おしまい。

                     
お客様のO.Hさんからいただきました。かっこいいでしょう。





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